XJR1300 シリンダーヘッドフィンとクランクケースの割れ修理!
今回のお客様は、以前当店のブログでXJR1300のクランクケース割れを見て頂き、
来店された一見のお客様です。
転倒により、シリンダーヘッドフィンとクランクケースを激しく損傷されており、
以前の修理よりかなり大変な修理でした。
シリンダーヘッドのアップ。
クランクケースのアップ。
まずは、気分的に大変なシリンダーヘッドから直していく事にしました。
フィンは7枚損傷しており、損傷部を綺麗に均して周りの塗装を取ります。
そして損傷の少ない下の3枚を溶接で盛っていき、
削り過ぎないように、ちょっとずつ根気良く形にしていきます。
上の4枚は上に行くにつれて損傷が大きいので、
1枚ずつ形にしていきます。
写真の様に程々に盛っては削り、寸法を測りを繰り返しで、
左側のフィンの形を参考に形を作ります。
続いてクランクケースの割れ修理なのですが、
その前に取り付けのネジが2本とも折れています。
そのうちの下側が曲がりながら折れていて、
尚且つケースと一体化?になっているので、簡単にはいかなさそうです・・・
まずは簡単な上側から、逆タップで取り除きます。
やはり上側は問題なく簡単に取れてくれました!
続いて問題の下側なのですが、
折れたネジにドリルで穴を開けようとしたのですが、センターが何処になるのか解らず、
ココだろうと思った箇所に穴を開けてみました。
やはりずれてドリルの刃が柔らかい方(クランクケース)に逃げてしまいます。
ココからはどう頑張ってもケースが酷くなるだけなので、
思いっきりえぐる様にクランクケースを削り、折れたネジを取り出します。
黄丸の箇所をこれだけ削りようやくネジが取れました。
ちなみに赤丸の箇所も難関な箇所で、
クランクケースの合わせ目なので、ココを溶接で盛ってしまうと、
今後分解する事があればアッパーケースとアンダーケースが分割出来なくなるので、
最新の注意をしながら無理をしない程度に尚且つ出来るだけ元の形になる様に、
溶接で盛ります。
全体的には何とかなったのですが、
やはり合わせ目の箇所だけは若干違和感が出ますが、
深追いし過ぎて失敗だけは避けたいのでこれぐらいにしておきます。
削り取った箇所も溶接で盛り形を作ります。
そして所定の位置に穴を開けてネジ穴に強度を出す為にヘリサートを入れて、
穴が開いていた真ん中のオイルシールを新品に交換します。
すべて形が出来上がったので、綺麗に脱脂をして塗装をして出来上がりです!
シリンダーヘッド部のアップ
フィン部は鋳肌仕上げにしていますが、少し荒くなってしまいました
クランクケース部のアップ
納車時には作業中の写真を見ながら説明をして、
現車確認をして頂きました。
お客様は綺麗に直っていた事に、
少しビックリされた様子でとても喜んで頂けました。