カタナ1100転倒修理
カタナ1100のオーナーは、私が10年ぐらい前に勤めていた時に仕事帰りによく遊びに行っていたバイク屋さんのお客さんで、
当店がオープンした事と、現在カタナに乗っているとの事でちょくちょく遊びに来て頂いていたのですが、
先日、転倒をしてクランクが曲がったと連絡が有り、話を聞いているとクランクではなく『ガバナ』と言う部品を取り付けているボルトが曲がっているだけだと思うと伝えたのですが、心配やから持って行くので見て欲しいとの事で、持って来て頂き確認すると、やはりボルトの曲がりでした。
それよりも、クランクケースが結構割れている方が気になったのですが、
修理を依頼されたので、クランクケースの修正がどこまで綺麗に出来るか分からない事を伝えて
修理をする事になりました。
まずは右上の折れたボルトから取る事にしました。
ステンレスボルトに変わっていたので、少し気を付けながらセンターに穴を開けて
逆タップで難なく摘出しました。
次にガバナを取り付けているボルトなのですが、見事に削れていて
どのように外そうかと考えましたが、
ボルトの頭をサンダーで削り落とし、
ボルトを締め付ける時にクランクも一緒に回らなくする為のナットを外し、
最後にバイスプライヤーで簡単に回ってくれたので、
比較的ここまでは楽に作業が進んでくれました。
問題はクランクケースの修正なのですが、
とりあえずリューターで整えて、耐熱金属パテが付着しやすくする為に、
粗目のペーパーで下処理を行い、
パテ付けをしてみたのですが、初めて使うパテで粘度があり過ぎて、
思うように塗り付けることが出来なかったのですが、
何とか大雑把に形を作り、硬化するのを待っていたのですが、
何時間たっても硬化する気配がなく、しょうがないのでハロゲンヒーターで
強制硬化をさせようとしたのですが、
この寒さのおかげで、5時間ぐらいで何とか固まった?って
感じにしかならず、塗り付け→研磨→塗り付けで1日が終わりって感じで、
4日目にして何とか完成はしましたが、
納得の出来る出来ではなかったのですが、
ここで納得するまでしてしまうと、ドツボに嵌り納車が大幅に遅れ、
お客様に迷惑が掛かるだろうと思い、完成とさせてもらいました。
この後、下の取り付け穴のネジの溝を作り、
気になる所を修正して、お客様が納得して頂ければ、
前廻りの修理をして完成です。